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新年度の体制変更や、担当者の入れ替わりでWebマスターが気を付けるべきことはありますか

そろそろ年度末。4月から組織変更があったり、Webサイトの運用にかかわっていた人が退職したりすることもあることでしょう。また、これから新たにWebマスターとして着任することになっている人もいると思います。引継ぎをする側、される側で、下記のようなことをリストにして引き継ぎを進めることで、新体制になってからの時間のロスやミス・トラブルを減らすことができます。

Webサイトの運用に使うツールに漏れはないか確認しよう

Webサイトの運用にかかわる人の権限によって必要なツールを漏れなく伝えましょう。例えば以下のような項目のURLなどを引き継ぎ前からリストにしておくと便利です。

  • 運用しているWebサイトごとのCMSは何か
    (CMSを使っていない場合はどのように更新しているのか)
  • FacebookやTwitterなど、アカウントを持っているSNSは何か
  • GoogleAnalyticsやGoogleSearchConsoleなど、検証ツールは何か
  • GoogleAdwords(NPOの場合はGoogleAdGrants)などのリスティング広告は出しているか
  • メールマガジン配信システムは何を使っているか
  • サーバーやドメイン会社の管理ツールはあるか
  • タスク管理に使うツール(Backlogやslack、メーリングリスト等)は何か
  • ファイル共有に使うサイト(各種ドライブなど)は何か
  • ブログ原稿に使うフリー素材サイトは何か
  • 顧客管理やお問い合わせ管理のツールは何か
  • モバイルなどのキャリア課金をしている場合はその管理ツールは何か
  • 経理処理に使うツールはあるか

Webサイトの運用に必要な環境設定を計画的に

セキュリティが厳しいWebサイトの場合は、操作に使う端末の登録やIPアドレス制限の解除などが必要なケースがあります。
引継ぎをしようと思った日に、いざ後任者が自分の端末で操作しようと思ってもできない…ということがないように、あらかじめ引継ぎ日に合わせて環境設定の必要がないかを確認するとよいでしょう。

Webサイトの運用に使うアカウントの管理を忘れずに

運用に必要なツールの利用にID・パスワードパスワードが必要な場合、業務開始に間に合うように準備しておきましょう。

退職者や退任者の不正アクセスなどのトラブルを避けるために、原則、アカウント共有はしないようにして、新たなアカウントを発行するとようにしたいところです。そして退職者や退任者が使っていたアカウントは、タイミングを決めて削除するようにすると安心です。

やむを得ずアカウントを共有しなければならないような場合は、引継ぎのタイミングでパスワードを変更するようにします。

運用の手順がわかるものを残していこう

最低限あるとよいものは、運用手順がわかるものです。
「これを見ればなんとかひとりでも運用できる」というものがあれば、旧担当者と連絡が取れなくなって確認ができない…という状況になっても安心です。
そのようなテキストを作る暇が旧担当者にないという場合は、旧担当者が新担当者へ引き継ぐ際に、口頭で話したことを新担当者が録音したり、テキストに箇条書きにしてまとめたりしていくとよいでしょう。
その素材をもとに、旧担当者に確認できる期間のうちに、新担当者が一人で運用できるかを確認し、どこかで躓いたら、そのポイントの解決法を旧担当者に確認し、素材に追加していきます。そうすることで、次の引継ぎの際にも流用可能な簡易マニュアルになります。

運用のタスクは頻度・時期を明確にしよう

また、手順には、それぞれのタスクの発生頻度を明示しておきましょう。
毎日/毎週/隔週/特定の日/毎月/四半期に一度/年1など、タスクに頻度と時期を記載します。
毎日・毎週使うツールはすぐに覚えられますが、月に1度しかなかったり年に一度しかなかったりする運用は、予定表にその場でリマインドを入れておくなどすると忘れません。

制作中のページのリストを共有し、それぞれがどのフェーズかを確認しよう

Webサイトを運用するなかで、作りかけのページや案件が五月雨で進行していることが多々あります。
現在進行しているものが「企画中」「制作依頼前」「制作依頼中」「納品後チェック中」「テストサーバー確認中」など、誰がボールを持っているのかを明記した一覧を作っておくとよいでしょう。
Backlog等で運用している場合は、旧担当が放置しているタスクがないか、旧担当のタスク一覧を覗いて確認しておくと安心です。

「目的」を伝えて運用をブラッシュアップしていく

本来は、何らかの目的があって運用が生まれているはずです。
引き継ぎの際に必ずそれぞれの運用の目的を伝えるようにしましょう。
もしあるのであれば、昨年度のWebサイトがかかわる事業計画書や総括書を確認しながら「何のためにやっているのか」の目線を合わせられるとよいと思います。

例えば運用しているWebサイトの目的は、「集客増による広告収入のUP」や「お問い合わせ者増による見込み顧客の囲い込み」、「問い合わせ数減によるコストダウン」かもしれません。それぞれの目的に合わせて、あるべき運用の頻度ややり方は異なります。
担当が変わる際に、「この目的に照らし合わせたときに、最適な運用なのか」を確認していき、必要に応じてブラッシュアップ(または不要な運用の優先度を下げていく)していくとよいでしょう。

チェック観点と決裁ルートも確認しよう

Webサイトは複数の人の利害が絡むことが多いため、コンテンツを追加・更新する際に直属の上司以外にもチェックが必要なケースが多々あります。

チェック体制表が存在しない場合はWebサイトにかかわるチェック者・決裁者を洗い出します。
組織変更に伴い、チェック担当者に変更がないかということもヒアリングしておきましょう。3・4月の段階ではまだ決まっていない、という場合は、いつ引継ぎ予定なのかということと旧担当者名を記載しておきます。

そして、各チェック者がどのようなチェック観点でチェックしているのかという<チェック観点表>がない場合は、それぞれがどのようなチェック観点を持っているのかを時間を見つけてヒアリングしおきましょう。
それをチェックシートにすることで、「複数の人で同じようなことをチェックをしていて、無駄が発生している」ということが判明したり、文章校正ツール等で確認したほうが確実なことに時間をかけていたり…ということがわかったりします。
それにより、チェック出しの時間を削減したり、チェック出しそのものを省略できるケースも出てくるかもしれません。

「デザインガイドライン」が存在しない場合は、これを機に策定してもよいでしょう。
関連リンク:「Webに詳しくない人が、Webサイトを制作・運用する際のデザインの注意点やコツがあれば教えてください。」

取引先のリストを作り、担当が変わる旨を連絡しよう

社内・団体内の確認が終わったら、次は関係取引先の連絡先を引き継ぎましょう。
Webサイトを運営していると、ASPの利用などで普段コミュニケーションが一切発生しないために忘れがちな取引先というものが存在したりします。
しかしASPのトラブルなど、有事の際に連絡が必要になり、初めて知って慌てる…といったケースもあります。

確実なのは、過去1年間の請求書や領収書を見ながら、支払いが発生した取引先が、次年度も取引するかを確認してリストアップすることです。

リストアップが完了したら、取引先に自社・自団体の担当が変更になる旨と、次年度の取引先の担当者に変更がないかを確認するメールを送っておくとよいでしょう。

取引先との契約書の有無と内容を確認

そして取引先のリストが完成したら、それぞれの契約書のありかをまず確認しましょう。
「あれ?どこ行ったっけ?」のままにしておくと、トラブルの際に非常に困ります。
契約を交わしていない場合は、法務担当と相談して対応しましょう。

また、時間のあるタイミングで、内容も確認しておくとベストです。
古い契約書の場合、個人情報の取り扱いや、再委託の禁止など、社内の最新の法務の意向に沿っていない内容のままのことがあります。
トラブルが起こってから契約書を見直すのではなく、少なくとも担当が変更になるタイミングごとに見直しをすると安心です。

組織変更のタイミングはミス・トラブルが発生しやすいタイミングではありますが、うまく引き継ぐことでコストダウンやミス削減につなげることができ、引継ぎ早々「成果」を出しやすいタイミングともいえます。
これまでのやり方をミスなく踏襲するだけではなく、よりよいやり方を開拓していくつもりで引継ぎをするとよいでしょう。

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